ねんまくさべつ

 年寄りの病気自慢。


 子供が骨折のギプスを見せびらかしたり、「ね?こんなに血ぃでちゃったし」とかいう。



 と、ニンゲンにではですね、怪我や病気をみせびらかしたい!という欲求があるらしい。




 あたしのそれは、現在「痔」。



 いや、みせびらかしたいわけじゃないんやけど。




 でも、あたしにとって、今「痔」が熱いわけやね。



 渦中やしね。


 いやなマイブームやね。






 こないだ、知ってるおばちゃんが胃カメラのんでん。ポリープがめっかったという。



 「ほらこれ!」


 と、写真を見せてくれた。いや、見せてと頼んだ覚えはないで。


 それでも、


 「へええ、こんなんなんや」


 みんなで見て感心してあげた。




 内臓はええな、と思った。



 あたしが「痔」で、同じ事をしたら、それは一種のテロ行為やんな。


 やはり、外側から見える部分、またはそれが含まれた、病巣映像はナマナマやから、イタイね。




 いや、ほんまに別に見せたいわけではないねんで、ほんまほんま。



 でも、なんとなく不公平な感じがしてん。


 まあ、そゆこと。




 先日カリカリ梅の誘惑なカリートについてチラと触れたけど、昔のスキャットマンジョーンズ(お亡くなりになりましたよね。合掌)と、位置付けが同じ気ぃする。





 そして、ある種のおばちゃんにとって、あたしはハトと位置付けがおんなじだと思う。



 そのおばちゃんらは、バイト先でお昼ご飯を一緒に食べるのだけど、あたしがガツガツ食らうのを見て満足そうである。で、食べきれない肉や野菜をあたしの皿に載せてくれるので、大好きだ。一個ずつのハンバーグが、あたしのところだけ3、4枚あったりする。

 おばちゃんて、食べ残しのパンの耳やらを公園で撒くん、すっきやもんね。



 そして、あたしにとって、おばちゃんは怪獣と位置付けがおんなじである。

 もうね、理屈とか関係無く、そこらへんのものをなぎ倒していくの!

 こっちはウルトラマンやないし、ウルトラ警備隊でもないから、闘うことはあきらめました。治外法権的傍若無人的なにゆうてんのかわからん。


 刺身をくれながら、マグロの赤身を食うとる最中にポリープ映像を見せてくれるあたりなんか、すばらしいと思います。


 そうして、全然平気で食らえるあたしもすばらしいと思います。



 粘膜以外は図太い。




 以上。