つらのかわ

 生物の問題で「植物細胞の中で古くなるほど発達するんはなんやねん」ちうのがあって、二つのうち一つが「細胞壁」だった。


 のを選び損なってたんで。


 そやからね、ニンゲンも年取ったら足の裏の角質やら、肘のウメボシやらが分厚うなるやん?面の皮もな!



 と、言うたら、大変ナットクされました。すんな。



 面の皮が厚くないと、ニンゲンて、やっていけないよな、と、つくづく思う。



 それはあからさまに図々しいんじゃ、ちうおばちゃんたちだけでなく、ニンゲン全体がド厚かましいからこそ、こんなに繁栄してるんとちゃうやろか。


 これだけ環境を破壊しといてね、カモがカワイソウ、ネコがカワイソウ、なんて、どの面下げて言えるんやろ。自分がその一部に欠片も加担してない、という前提でこそ偉そうに言えると思うし、動物愛護の下に他のニンゲンを裁けると本気で思ってるんなら集団自決でもせなあかんのとちゃうか、と思うんですけど。

 




 社会に貢献したい、と思うのはそりゃ思うけど、「貢献してます」て、断言するのも、よく考えたら、厚顔なことちゃうか。社会って、隣三軒両隣くらいの範囲ですか。都道府県ですか。国内ですか。それとも。どの階層に対して社会、と思ってるのですか。何年くらい先までの社会情勢を想定した上での「貢献」ですか。

 そして、貢献するにあたっての、理想とはなんですか。その理想とは誰にとってですか。万民とはどの範囲を指してますか。価値観の相違に因る、理想の誤差範囲はどのくらいを想定していますか。


 これまでの企業人や国家や研究者たちの多くも、「犠牲も出るかもしれないが、社会への還元性も高い、価値がある」と信じられる面があったからこそ強行できたこともあるやろけど、それがうまく回ってないからこその、今がある。という事実を振り返って、それでも自分だけは「正しい貢献」を行えていて、失敗は許容範囲内だと、どうして思えるのかがまず不思議やね。ていうか、そう思ってなかったら他のニンゲンの主義主張を非難できるはずもないやろ。目くそ鼻くそをわらう?


 学者なんてその最たるものやんか。


 将来それが役に立つのか、新たな混乱を招く可能性がないのかろくろく検討しないまま、その研究でお金と地位をもらえると思うなら、こんなに厚かましい職業もないやろ。
学術的価値って誰が決めるんか知らんけど、その名の下にヒトの墓を暴き、個人的な書簡を公開する。地球上のあらゆる土地を切り開きその後始末さえようできひんのに、宇宙を開発しようとする。そのために電気代やら人件費やらを使いまくって、後始末を子孫に押し付けておいて何を偉そうに?頭悪いか傲慢でないとやっていけない職業やなあ。個人の自腹を切って研究するならともかくやけど。


 と、考え始めると、金額の大小に関わらず、自分の働きがその金額に見合うのかどうかわからないまま、ただ「働いている」ということを盾に偉そうにしてみるのもなんだかね、とキリがない。


 細胞壁を更に厚くして、内部細胞は空虚な液胞を更に広げる。




 て、ニンゲンは動物細胞やんねー、細胞壁はないけどねー。まー似たようなもんやんね。



 まあ、あたしも厚かましいから、こんなことを書けるんやが。