ふゆ

大好きな人の子供が亡くなって、四十九日が過ぎた。



彼女はそれでも淡々とした表情で仕事してる。


それは、彼女が繊細で優しい人だからだ。


周りをまず気遣う人やから。


それを人は「強い人」というのかも知れないけど。


あまりに気を張っていると、いつかのあたしみたいにバリンと音を立てて壊れてしまうのでは、とハラハラする。


ハラハラするだけで実質何もできひん自分にムカつく。



大嫌いなヤツがいて、そっちは仲良しの友達なんだけど、良い年をして、周りを心配させるような言葉を垂れ流す。


憎めない性格だけど、年齢も学歴もプライドも周囲より高いので、周りはギョッとしてもあまり強いことを言えない事に気が付いてない。


ああいう、自分を思ってくれる人を振り回すヤツ、弱い人間はキライ。



自分が弱ってるときは特に、ソイツの中に潜在してる弱い自分自身を見てムカつくし。




そういう時は、よく寝て、よく食べて、よく笑って、強さを蓄積する以外にないことだけ、わかってきたような気ぃする。