そこはかとなく

 ああ、トイレが近いのことよ。


 ビールは利尿作用があります。


 お茶類全般にも利尿作用があります。



 こういうときは、「ああ、ちんちんがあったら便利でいいのに」



 って思う。


 ズボン脱いで。


 毛糸のパンツ脱いで。


 パンツ。脱ぐ。


 ちんちんがあったなら。



 チャック開けて、出す。

 
 ワンアクションでおっけー。


 くそー、ええのう。





 おっさんら、生意気やねん。



 腋毛も臍毛もなんもせんでええやん。


 おまえら、それでええんのんか!


 と、思うと、無駄毛を処理しなくてはならないアメリカ文化が浸透してしまった日本に育った自分がうらめしくなります。ヨーロッパ文化であれば、このようなことに縛られはすまいに。


  
 っていうか、ぜんぜん話がそれてます。


 ツレ達と飲みにいくと、大抵は男ばっかりなもんで、トイレも一列です。


 あたしだけ仲間はずれです。



 「あれ、どうして?」とか聞かないでください。



 あたしだけ、ちんちんがない。


 
 いいさ。



 そんなもんなくったって。


 
 ちんちん無しで、41年生きてきたのだ!





 ××先輩(人間プロペラ)から20年以上ぶりに電話がかかってきた。


 
 「○●と付き合ってるらしいな!」


 いや、付き合っているというほどでは。なんかのついでにうどんなどを年に数回一緒に食らっておるだけですばい。


 ていうか、なんで、この携帯番号を××先輩が知っている?


 犯人は○●のみだな。何か大きな誤解を招くことを言うたな、おまえ。




 「そうか!○●なら、俺でもいいな、俺のほうがちんちんはでかいぞ!知ってるか?」



 えーと。当時、いっしょに飲みに行った人間なら、全員知っていると思います。平常時であの大きさはヤバイと思いました。



 「じゃあ、俺と付き合え!」


 言うとくが、二十年以上会いもしないで、いきなりかよ。


 
 たしかに先輩は偉いっすよ。なんか逆らえないですよ。しかし聞けることと聞けないことがあるっす。



 「○●には、そんなにいいなら、俺に譲れといっておいたから安心しろ」


 は?


 「本人がいいなら、といっていたから、俺にしろ」




 だからね、現物を見ずに決めるのはあかんと思う。実際にあってこんなはずじゃなかったとか思うぞ。



 「それがギャンブルの醍醐味だ」



 よくわからん。



 「もしかして、今、俺、振られているのか?」


 うーん、限りなくそれに近いです。


 「そうか。じゃあ、しかたないな!」


 しかたないのか。



 「おまえがだめでも、俺にはちんちんがあるからな!」



 あたしはちんちん扱いでしょうか。



 「○●に飽きたら、電話しろ!」


 だから、付き合ってないって。



 

 「何かあったら、辛いとき、悲しいときは、俺と俺のちんちんを思い出せ!」




 ごっつー、イヤ…。