アレ

 あのー、アレやね、雨、ごつかったね。


 

 久しぶりの16歳と会って話したら、関西弁が強くなってた。


 もともとは関西の子ではないので、以前住んでいた土地の言葉が強くて関西度が低かったんだけど。

 
 今の学校で仲良くやってるねんな、と、嬉しかった。早口の関西弁で今の先生、クラスの友達、部活動の話をあれこれあれこれ。


 お父さんも以前はちょっと頬がこけ気味やったけど、少しふっくらして元気そうやったし。



 と、安心しての帰り道がどしゃどしゃやん!


 ワイパー全開にしても、ちらちらと一瞬しか前が見えへん。




 で、うちについた途端止む、と。



 くそう。




 で、今回は、ちゃんと脈絡のあるタイトルやん。うん。



 母親の世代がですね、


 「りんちゃん、アソコにアレがあるから、とって」とかいう。


 
 アレってナニよ?アソコって、どこよ?


 「アレ!言うたら、アレやろ!アソコはアソコやん!なんでわからんの!?」



 わかるか。



 と、言うのは、加齢によるアレかしら?


 で、あたしも最近「アレアレ」言うとるな、おばはんになったものよのう、


  
 て、しみじみしとったんである。



 ところが、上記の16歳も


 「それがね、アレやん?アレって、アレのことなんやけど、ああ、アレって心の中ではわかってるのに、ゆわれへーん。とにかく、アレ!アレなんですよ!」

 
 アレ連発。



 あの12歳も


 「それがな、センセ、あたし、こないだアレしてん。アレ?アレって言うたら、アレやねんけど、ああ!うざー!」


 



 こなたの17歳も


 「なんやったかなー、アレをアレしたらわかってんけど、アレは、アレ?アレ?」






 これは、アレですか、なんかの呪いですか。


 それとも、アレかしら?伝染病かなにかしら?



 多分原因はアレやと思うねんけどね。



 そう、そう、アレ!アレ!



 多分アレ。


 
 きっとアレ。