わかれめ
本日、ゴスロリの老婆を見た。
どこで、「イタイ」と認定するかは、認定するヒトの勝手かもしれない。
あたしがイタイと思うのは、あたしの勝手かもしれない。
あたしをイタイと思うのは、そのヒトの勝手かもしれない。
あたしは普段あんまし電車に乗らない。
日常的に乗ってたのって、ごっつい昔やなあ。
いつやったっけ?
焦るあまり、
はい!
と、駅の数メートル前から用意してた小銭を改札のお兄ちゃんに直接手渡してしまったとき、
お兄ちゃんが
「…」と一瞬凍結したのち、
「自分で切符買いィな?」
と、言ってくれました。
あー、痛かった。
ボケたときにつっこんでくれない、自動改札キライ。
スイカとかイコカとか、多分あたしが購入することは無いと思われ。
つうか、災害で電気がストップしたときにどうなるねんとか思われ。
あ、話がとんだ。
先日映画を見に行くのに電車に乗った。
隣の女子大生が可愛いなあ、とか心の中でキョロキョロしてた。
ら、途中で男が乗ってきた。
まあね、なんていうかね。
イタかったし、かゆかった。
全体的にぽっちゃりしてて、色白で、喉元まで青く、脂性肌で、じっとり湿気もたっぷり含んでいた彼は、ジーンズにスカーフ、ボートネックのシャツで、大昔の「パリジャン」のようなコーデだった。
そこまでは、百歩ゆずるとして、
首に、銀色の喜平チェーンていうの?
おばちゃんやらがしてる、肩こり用のネックレスとか、なんかそんなんを着けていたのだった。
しかも、首の途中でぴったり。
つまり首にくいこんでる感で。
見てるあたしは、首の血ぃが止まってそうで、
イーてなりました。
今思い出すだけでも首の辺りが痒うなるねん。
ふと、見るともなく、隣の可愛い女子大生(なんでわかったかというと、途中まで、これまた可愛い友達と、講義の単位の話をしてたから)が、
「キモいおっさんが乗ってきた!」
と、メールを打っていた。
友よ!
多分そのネックレスが無くても、一般女子からは
「やっだー、生理的に受けつけなぁい。キモーい」
と、言われそうなんやけど、
その一方で、
「でも、良いヒトかもしれないよ」
と、言ってくれる人も僅かながらでも存在するかもしれない。
が、あのネックレスで、その可能性すら自ら断ち切ったんとちゃうやろか。
まあ、
「いいヒトだけどねー」という女子のセリフは
「そうやって『イイ人だからお友達でいましょう』って一生言われ続けて終わる」というニュアンスを内包してる場合が多いから、
そのような真綿で首を締めるような残酷なセリフから離脱する、っちゅう意味では、いっそ清々しいのかもしれん。
潔い、とも言える。
でも、痒い。
首で血ぃ止まって、脳に血流が行ってへんから、そのような自分自身をいたぶるようなコーデになっとる可能性の方が高い、と、あたしは思うが。それはあたしの勝手な推測である。
生徒からもらったキティちゃんのソックスが、サイズが小さくて、履いてるうちに脱げてきて、靴ン中で気持ち悪いことになってしまう。ので、母親にやったところ、
「あれねー、お父さんがちょうどサイズぴったりで履きやすいって」
親父よ。キティちゃんは、このあたしでも既にイタいのですが。
お出かけの際には履かないようにしてください。
万が一履いて出てしまったときは、座敷に上がるとか、そゆのは無しね。