日ぃに焼けて色あせた畳
が好き。
歩きながら、缶コーヒーを飲もうとしたら、指にひっかけてたキーホルダーが造反した。つまりキーが鼻の穴に刺さって、鼻血出た。
まだまだ血の気が多いお年頃。
こないだ昔の生徒にばったり会った。
結婚式以来かなあ。
スピーチ頼まれて、1ヶ月毎晩考えて。
十年以上の月日を思い出して、毎晩泣いてしまってどうにもあかんかったので、泣かないで済む内容にしたら、えらくあっさりつまらないスピーチになっちゃってごめんよ、あの時は。それでもお友達のスピーチがとても良くて、結局泣いてしまったから、しまったなあ。
あたしもまだ自分が先生という感じでなくて(て、今でもそうかもしれない)、最初はめっちゃ喧嘩した。
あんたなんか大嫌い。あたしだって先生なんか大嫌い。
真っ赤な顔で涙目で。
黙ったままで、何度も何度も川原の道を往復して、挙句に二人とも熱出して。
子供だったあたしたち。
それがどんどんオトナになって、色々な悩みも、あんたは乗り越えていった。
会わない時間の間に、またもっともっと良い顔になってた。
あたしは、よく年齢不詳と言われる。
実際自分でもわからん。
例えば30歳の相手がいたとして、
そのヒトとの出会いが13歳だとしたら、
あたしにとっての相手は、今でも13歳であり、15歳であり、二十歳であり、そして30歳でもあるのだ。
そして、あたし自身もそのヒトに対しては、17歳であり、25歳であり、30歳であり、42歳でもある。
今初めて会った30歳に対しては、30歳であり、42歳でもある。
今初めて会った60歳に対しては15歳であったり30歳であったり42歳であったり、時には60歳以上だったりする。
あたし自身は選択しない。
あたしは選択肢を提示する立場にいつもあるような気ぃがする。
あんたはコレしかないと思ってるけど、コレもコレもあるよって。
それがあたしの仕事かな。
そうして、手が離れたあと、自分を自分で守っていけるように。
そして、勿論、その子が自分を守っていけるようになったら、それはあたしの手柄ではなく、その子が自分の力を見つけて信じて伸ばしていく元々の力があったことの証明やし。
ただ、あたしはつっこみ、見てるだけだ。
そうして、ハラハラする。のが仕事って。
役に立ってるかなとも思うし、立ってないと思うこともある。
そんなとき、ああいう感じで再会すると、ほっとする。
再会しなくても、元気でいてくれたら、別にかまへんけど。
過ぎてしまえば、どんなにそのとき苦しくても笑い話になる。
今このときのこの事を、温かい気持ちで笑える日を迎えるために過ごしている。
わー。辛気くさーい。
いやーん。
まあ、鼻の穴にティッシュ詰めて語る話ではないわなぁ。