それでもあいしてる
色んなヒトがおるよね。
すんごいむかつくババア!とか瞬間的に思うとき、ある。
あっちも、すんごいむかつくガキ!と、あたしのことを瞬間的に思ってる。
そんなある晩、そのババアから電話がかかってきた。
どうでもいいような話とかして、なんかヘンやなー?とか思ってたん。
そしたら翌日ごっつう謝ってきた。
「昨日なあ、いらいらしてたから、あとうちゃんに、めっちゃ八つ当たりしてもうたやんかー。自分でも落ち込んで、飲みすぎちゃって、ベロベロに酔っ払った勢いで電話しちゃったみたいなんよー。変なこと、言わへんかった?」
言わんかったら、わからんかったのになあ。
あー、もう。
大嫌いや、クソババア、と何度思っても、こう正直な部分を見せられてまうと、あかん、カワイイ、とか思ってまう。
落ち込んで深酒て。
ぎゅー、と抱きしめてキスの一つくらいしたなってまうやん(という文化で育っとるけど、日本では変態扱いされそうなのでできひん。困る)。
まあ、大嫌い!とか言いつつ、本当にキライにはなれへんのは、わかってんねんけどね。
ヒトを好きになるときキライになるとき。
後付けで、理由を並べることは、なんぼでも出来る。
せやけど、深いところでは、理由なんてないんじゃないのか。
そのヒトを好きで、好きでありつづけたい、と思うとき。
イヤだなあという部分を反復してしまうとき、好きで嫌いになれない自分が悔しくて口内炎を舌でいじるように、反芻してるんかもしれない。
ちょっとでも、いいな、と思ったとき、好きでいる自分が嬉しくて、またいいことを反芻してしまうのかもしれない。
キライなときも、その逆な振舞いが心の中で繰り返される。
好きとキライが逆転するとき、自分の一部が反逆を起こしたりもするな。
キライとか好きとかを考えるべきじゃない相手の場合、キライという気分はなるべく押さえて、いいところを見て中和しようとするけど、結構労力がいる。
イヤや、と思うと、途端に熱意を失ってしまう大人げなさがあるんで、努力をしてるつもりなんやけど、時々うまくいかない。イイ人と見られたいいやらしさもあるしなあ。そのいやらしさを誤魔化したい気持ちもあるしなあ。あかんなあ。
という自分を愛しているから改善されへんのかもしれへん(というか、多分そうなんやけど、認めたくないんやろな、あたしは)。
そんでもって、自分でもよくわからないまま、色んな人を好きになったりキライになったりしてくんやろなあ。